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篠田節子「ハルモニア」

篠田節子「ハルモニア」を読んだ。



飽きずに読んだ、読み飛ばすところはなかった、という意味では面白かった。
しかしながら、既読感とでも言うのか、「こういう世界観」って一度ならず見たことあるなぁ、と思った。
小説より、勧善懲悪で割り切れない、世紀末趣味の漫画やアニメで感じる感覚。具体的にどれとは言えないんだけれど。竹宮恵子の「地球へ…」あたりは当たらずとも遠からずかな。

主人公はあらゆる意味で凡庸、でも心の奥底にはゆるがない信念があって、しかもそのことに本人は無自覚。そういう人間が偶然(あるいは偶然を装った第三者の企み)によって、「異形のモノ」に出会う。それは本作のような天才(社会性を持てない)の場合もあり、極悪犯罪者だったり、身体的な奇形種だったり、超能力者だったりする。その異形のモノとの出会いから、凡庸だったはずの主人公の運命が狂っていき、ラストは破滅的だけれども静謐な、ハッピーともアンハッピーとも言えない、宗教的な場面で幕を閉じる。

あー、女性作家が描くSFもの。それに近い気がする。上記の「地球へ…」もそうだし。
宇宙戦争やら超能力やらが出てくるけど、構造としてはラブストーリーで、種族の違いの壁を乗り越えようとして、できないという苦悩がメインテーマ。恋する相手と自分は、同じものを見ることが決して出来ない。敵味方だったり、宇宙人と地球人だったり、超能力者と普通人だったり。恋の成就はどちらかの死、または世界の終わりを意味する。しかも異形である相手にはそれが「恋」だとすらわからないかもしれない。壮大な片思い。異形の女は死をもって神になり、凡庸な男はその神に殉ずる。

なんかそういう、ひとつの「パターン」を基にして、取材した内容をうまいこと読ませる小説にしましたね、という感じ。うわぁこれ褒めてないよね。でも面白かったですよ。パターンが見えてなお「読ませる」というのが、作家の技術というものだと思うし。

余談。文庫版の表紙が「奏楽天使」で、私はこの絵が好きで、ついこの本を手にした(図書館でだけど)。このストーリーにこの絵を持ってくるところも、ちょっと少女漫画趣味だな、と思わなくもない。
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会社員。家族は夫(鬱回復期か微妙なメンヘラー)と娘(中学生になりました)。

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