10
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
   

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

誰のための涙

塾のある日は、娘を迎えに行って20時少し前の電車に乗ることになるのだけれど、近くの学童や保育園の延長預かりが大抵19時半で、駅周辺を歩いていると、そのギリギリまで預けていたらしき親子に遭遇することが、ままある。

かくいう私もかつてはその一人で、大概は18時前後には迎えに行っていたとはいえ、忙しい時期は連日滑り込みセーフで迎えに行くことも多かった。本気の残業時は会社に連れて戻り、職場の片隅で待たせていたこともありましたな。

その頃は、夫が入院したり、小学校の越境入学ができるかどうか不安を抱えていたり、娘が学童でちょっとしたいじめに遭ってみたり、お迎えが遅くなることより深刻な気がかり事項が多かったから、逆にそれが大変であるという自覚はあまりなかった。

でも、今、保育園帰りの幼児と手をつないで歩くスーツ姿のお母さんを見ると、なんだか無性に泣けてくるのだ。
時間がないから、無意識に早足になる母親。子どもとつないでいないほうの手には、タイムセールのお惣菜の袋をぶらさげている。母親に追いつこうと、時にはひきずられるように、小走りする子ども。背中のリュックが揺れる。その中には、お菓子やおもちゃじゃなくて、保育園で汚した着替えだったり、使用済みおむつだったりが入っているのかもしれない。私の娘はそうだった。

昨夜、娘の保育園時代のブログを読み返してみた。夫の病状は今よりずっと悪かった。数か月の入院もしたし、夫の実家に帰していた時期もあった。


あの頃、ブログにも書かなかったが、私自身もカウンセリングを受けに行ったことがあった。2回受けてやめたけど。なぜなら、一回10,500円という費用をそれ以上捻出することができなかったからだ。
今日はその時のことを書こうと思う。





カウンセリングに行った頃も、誰にも言えなくて一人思い悩んでいたというわけではなかった。私は結構早い段階で周囲に夫の「ウツ」をカムアウトしていたし、それについて慰めてくれる人も応援してくれる人も何人もいた。このブログにも好き勝手なことを書いていたし、ブログを通じて似たような境遇の人との交流もできて、大きな支えになっていた(今も、なっている)。だから決してたった一人で耐えていたわけではない。

逆に、一人になれるタイミングがなくて、泣ける場所がなかったのだ。

会社にいるか、娘といるか。私の24時間はそのどちらかだった。会社じゃ泣けない。娘の前でも泣けない。トイレにこもって泣くことはできても、泣きはらした目が元通りになるまでの長時間は、こもっていられない。

だから私は泣く代わりに、よく怒っていた。悲しむだけの「心の余裕」を作らないようにしていた。

カウンセリングで何かサジェスチョンが欲しいわけではなかった。そんなものがないことは理解していた。
私に泣くための時間と場所を提供してほしかった。

カウンセラーは私より若そうな女性で、おとなしそうな雰囲気の人だった。
促されるままに、今の状況と、そうなるまでの経緯、辛いと思うことをつらつらと話した。カウンセラーはたまにうなづいたり、軽い相槌を打ったりしつつも、基本的にはただ黙って聞いていた。

今話した状況について、どうしてそうなったかは理解しているつもりです。今後については不安ではありますが、なんでこんな目に!!といった不満はなくて、受け止める覚悟もしています。私がやるべきことも把握しているし、私なりにちゃんとやっているつもりです。

夫以外の、実家の家族や友人たちにも支えてもらっているのはわかっていて、感謝もしています。決して、辛くて死にたいとか、そういう風には思ったこともないし、今も思いません。楽しいこともあって、しょっちゅう娘と笑っていて、家事だって適当に手抜きしたり、遊びにだって行きます。

でも、泣く場所がなくて。だから、泣きたいと思う気持ちを封印しているところがあります。でもそれって良くないですよね、きっと。夫がこうなっているのに、私まで倒れるわけにはいきません。みんなもそう言います。あなたが支えないとね、って。大変だろうけど、ご主人や娘さんはあなただけが頼りなんだからしっかりしなね、って。ええ、がんばります。がんばっています。ウツの人には禁句だからと、夫にはがんばれとは言わない人も、私には言うんですよ、がんばれって。

私は、もっとがんばらないといけないですか?
あとは何をがんばればいいのでしょうか?


そこまで言った時、カウンセラーさんは涙ぐんでいた。それが「共感しているアピール」という職業的特技なのか、あるいは反対にカウンセラーとしては未熟な態度なのか、判断はつかなかったが、その時の私はどうでもよかった。とりあえず言うだけ言って、ちょっとすっきりした。

「なんで離婚しないんですか?」と彼女は言った。意外だった。いきなりそれですか、と思った。「だって、大変ですよね。離婚したほうが楽になれるとは思いませんか?」。

「思いますよ。でも、今、先生がそうおっしゃってくださるのは、私がそのように話したからです。両親や友人に対して、私はこんな風に話したことはありませんから、いま離婚したら、周囲の人に病気の夫を捨てたひどい妻だと思われるでしょう。それはいやなんです。みんなが夫が悪い、あれじゃ離婚も仕方ないって言ってくれるなら別ですが。自分としても、今の感情だけで離婚してしまったら、落ち着いたときになって、もっとやれることがあったんじゃないかと後悔すると思います。愛情じゃなくて、見栄とかメンツとか意地といった気持ちかもしれないです」という意味のことを、もっと考え考え、時間をかけて言ったと思う。

「そんな風にしていたら、壊れちゃいますよ?」と彼女が言った、と思う。

そうだよ、私もそう思うんだよ、だからここに来たんだよー!と思った。でも、言葉には出なくて、涙が出た。やっと泣けた。このために来た。

ここでたぶん、1回目のカウンセリングが終わった。2回目は、ほぼ前回のおさらいで、あとは「周囲の人にもっと愚痴ったり頼ったりしたほうがいいんじゃないか」みたいなことを言われた、ような気がする。あまり覚えていない。とにかく「ああ、これの繰り返しなのか。じゃあもういいか」と思い、費用の問題もあって、3回目の予約はしなかった。

こんな経験から、"泣きたいときに泣く"ってのは、大事だと思う。
泣きたいのに泣けないときは、泣ける映画でもなんでも見て、涙を流すといい。

最近の私は涙腺のタガが外れているので、すぐに泣ける。「とんび」なんてもう号泣。
昔から「5歳以下の小さい子のかわいそうな話」だとすぐ泣けて、特に「ポネット」は、テレビでCMが流れるだけで泣いたけれど(本編見る前から)、自分の加齢に伴って、今では「小さい子」の年齢層が大幅に広がり、高校生ぐらいを見ても泣く。さらに「かわいそう」だけでなく「がんばる」でも泣くようになり、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」のマーチングの旅でも泣く。

そして、冒頭の話に戻る。
保育園帰りの親子。その後ろ姿で泣ける。道端なので本当には泣かないけれど、泣ける。

泣けなかったあの頃の分を取り戻して、なおあまりあるほどに泣いている。

がんばった私のために泣く。娘のために泣く。

夫のためには、泣いてやらない。
スポンサーサイト

同じ、同じ・・・と思いながら、私もCakeさんのこの記事を読んで、また、泣いています。そうなのよ、渦中にいる時って、すっごく肩肘張って、自分が頑張らなきゃ!って思っているから、余計に泣けないんだよね・・・。

でも、その渦中をちょっとだけ過ぎて、心にも余裕が出来てくると、色んな場面で、色んな苦しかった事がオーバーラップしてしまって、泣けて、泣けて・・・。

私も、昨日の「とんび」見て号泣だったし、年末の紅白の「よいとまけの唄」を聴いても涙、涙だったし、映画、レ・ミゼラブルを観ても、貧しさに闘って生きている人達を見ては涙が止まらない・・・と言う状況でした。正月の駅伝見ても泣けるしね。確かに泣けると楽になるよね。

私の場合は、夫については、おそらくCakeさんほど打ちのめされて、自分が頑張らなきゃ!ってところまで追い詰められた事はなかったのかもしれないけど、その分娘の事があったり・・・でやっぱり渦中にいる頃は本当に辛かったもん。職場で元気な同世代の子達を見続け、家に帰れば、元気のないわが子と夫を見て・・・。その狭間で健気に頑張っている次女の事も心配だったし・・・。

あの頃、夫を見捨てなかったのだって、同じような感情だったと思う。
病気で弱っている人を見捨てられるほど、冷酷な人間に育ってないものね。

でもね、そんな過去があるからこそ、今、些細な事でも「ありがたいなぁ~」って思えるようになった。本当に当たり前のように見える事が、どれだけ当たり前じゃないか・・・って思い知っているからね。

いつもブログでは、サラッと記事を書いているように見えるCakeさんだけど、私が落ち込んでいる時にくれるコメントは、深い思いが溢れているのも、こんな風に大変な時期を乗り越えてきているからなんだろうな・・・っていつも思っています。

頑張った自分のために泣く・・・、それでいいんだよね、きっと。

>フランさん
お返事遅くなってすみません。

今回はインフルエンザですが、やはりこういう目に遭うと、「普通の健康」がどれほどありがたいかわかるように、家族の病気・障碍のおかげでわかる幸せというのはありますね。

比較していいものかわからないけれど、夫よりこどものことのほうが心は痛いと思いますよ。夫はしょせん他人ですから「ひとごと」です(笑) こどもはそうじゃないですものね。
フランさんもお辛かったですよね。

美輪さんの「ヨイトマケの唄」は圧巻でしたね~。
以前見た米良美一さんバージョンも良かったですよ。youtubeにあがっているので思うので機会があったら見てみてください。
「ヨイトマケの唄」は、米良美一さんの生い立ちそのもの、だそうです。

泣けない時期っていうのは、感情を封印しているようなところがあって、感情を持つと耐えられない状態ってことなんですよね。でも、やっぱりそれは不自然なことで、それが長引けばこちらが参ってしまうし。

自分の為に泣けるぶんの心の余裕は、もっていないといけませんね。
Secre

プロフィール

Cakeと書いてけーくと読む

Author:Cakeと書いてけーくと読む
会社員。家族は夫(鬱回復期か微妙なメンヘラー)と娘(中学生になりました)。

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。