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何もかも失ったわけじゃない。

うちの会社では、フリーのイラストレーターさん数名と契約している。その中でも8割方お願いしているメインのイラストレーター・Kさん。Kさんとはかつてこんなこともあった

Kさんから体調が悪いという連絡を受けたのは先月末だった。「3月半ばから入院することになった。検査結果によっては入院も長期に及ぶ可能性がある。たいへん申し訳ないが、今、受けている仕事が納められそうにないから代わりの人を探してほしい」という。

入院前の検査の結果は予想以上に悪く、入院が早まった。入院後の精密検査の結果が昨日出て、再びメールが来た。そのメールの内容から、イラストレーターとしては致命的な病に侵されていることがわかった。医師からは、入院は最低半年、その間の治療に効果が出たとして、普通の生活に戻るためには更にリハビリに半年かかるだろうと言われたそうだ。その「普通の生活」は、身の回りのことができるようになるという意味で、イラスト業に戻れるレベルを意味しているものではない。戻れたとしても、フリーランスで仕事をしていた彼が、1年間現場を離れて、パイプをどこまで維持していられるか。うちの会社からの収入では、彼の生計を支えるには程遠いわけで。Kさんは大手キャラクター商品会社のデザイナーもやっていて、そちらがメインの収入源であり、しかし、おそらくその契約は彼の病気をもって打ち切られるだろう。

フリーランスということは、給与の補償というものも望めない。また彼は独身一人暮らし。ご両親は存命だそうだが、高齢だし飛行機の距離。

「何もかも失いました」

2通目のメールにはそう書いてあった。
東日本大震災のニュースを連日見ていれば、命も家族も家もあるのに「何もかも失った」なんて言ってはならないという気もするけれど、Kさんにとってはやっぱり「何もかも失った」に等しいのだろう。

でも、治療してリハビリして。それに1年かかったとしても、その1年で「今より良くなること」があるわけで。元通りではないかもしれないけれど、再生するもの、創り出すもの、そういったものがあるはずで。
失ったものは取り戻せないけれど、新しい何かを手に入れることはできるわけで。

「しょせん他人事」だから言えるのかもしれないけれど、でも、何もかも失ったと本人が言うなら、他人がそれを否定するしかないではないか。

壊れたものは元通りにはならない。失ったものは取り戻せない。

でも、それでも。もう一度創る。新しく創り出す。その可能性までも失ったわけじゃない。

何もかも失ったわけじゃない。
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会社員。家族は夫(鬱回復期か微妙なメンヘラー)と娘(中学生になりました)。

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