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昭和の鰻は遠くなり

昨日、鰻を食べに行った。
夜は高いが昼はリーズナブルな近所の鰻屋だ。
昭和と共に歩んできた店。

通勤路だから、私は毎朝毎晩、その店の前を通る。
時には鰻を炭火で焼く煙の中を通る。

その店を経営していた女性がいるのだが、数年前から痴呆の様相が見られるようになったとかで、今は親戚の方が手伝いに来ているそうだ。鰻の調理そのものを担当している職人さんは変わっていないが、いわゆる「接客」「経営」の面を誰かがサポートしなければ、すぐにでもつぶれてしまう状況らしい。経営者の女性は手伝いに来ている人に被害妄想的なことを言ったり、かと思うと店のお金を数万単位で持ち出して浪費してしまったりで、しかもそれがどんどん悪化している。生涯独身だった彼女には終日介護できる家族もいない。親戚で話し合って、彼女を入院させ店をたたむ、というのが一番の良策だと誰もが思っている。
でも、この歴史ある店をたたむというのは、やはりそれ相応の覚悟がいるわけで。また、人ひとりを「面倒見きれないから」と入院させておしまい、という結論にしてしまうのにも、やはり決意がいるわけで。

最後の最後まで、なんとか支えたいと言っていた人も、最近は限界を感じてきたようだ。

それを知って、「あの店、近いうちになくなっちゃうかもしれないな」と思ったら、なんとも言えない気持ちになった。

別に知人でも常連でもなんでもないから、私にできることは、「せめてまだやっている間に食べに行く」ぐらい。

昼少し前、夫と娘に「さ、今日は鰻を食べに行くよ」と誘った。鰻が好きな夫は喜び、娘は微妙な顔をした。古くて狭くて、前を通るといつも煙い、あの店。娘にとってはあまり食指が動かないだろう。
でも私の有無を言わせぬ言い方に文句も言えず、ついてきた。

蓋を開けたら、娘は「すっごく美味しい」と言いながら、大人の一人前をほぼ全部平らげた。「このタレのついたごはんが特に美味し」と言って、後半は鰻をよけて食べていたけど(結局鰻だけ4分の1ほど残し、それは私と夫で食べた)。タレごはんだけおかわりしていいならもう少し食べただろうな、という食べっぷり。

ランチのサービス鰻重。一人前1,050円×3人分。国産鰻を職人が一串ずつ炭火で焼くことを思えば出血大サービスの値段だが、我が家にとっては大いなる出費。
しかし、これは私のごく個人的な「お別れ会」。私が生まれるずっと前からあった店との。

娘が「また食べに来たいねぇ」と、来る前とは打って変わったことを言う。そうだねぇ、来られると良いねぇ。本当にそう思うのだけれど、難しいだろうな。
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Re: No Title

v-255メリークリスマスv-255
いやなことは数々あれど、小さな良いことを見つけていきましょう。

鰻屋さんの後継者がいないのが痛いですよねぇ…。焼き職人さんに店を譲るという方法もあるのですが、人に譲るのは頑なに拒んできたそうです。女1人で祖父の代からの店を守ってきただけのことはあって、良くも悪くも「私のやり方」のある人なので敵も多く、親戚も素直に「大変なときはお互い様」と言いきれない面もあるのですよね。
難しいものですね。
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会社員。家族は夫(鬱回復期か微妙なメンヘラー)と娘(中学生になりました)。

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